茶杓の銘 一月
問答の際、「茶杓の名」などに使える季節の言葉、茶趣を記載しています。
今回は「一月」です。
一月 / 睦月
家族が睦み合う月
お正月に家族・親戚一同が集まり、新年を祝い合うことから睦み合う月→むすびつき→「睦月」となったという説が有力です。
曙(あけぼの)
あけぼのとは、日の出前のことを指します。
「枕草子」での冒頭で「春はあけぼの」という言葉が出てきますが、春の日の出前の頃を表現する言葉です。
一年の日の出を祝う気持ちが表された言葉です。
幾千代(いくちよ)
長い年月を指します。まるで歴史を語るような意味も含み、「何千代も」という言葉も持ちますが、それと同時に、「永遠に」という未来永劫のような、未来を指すこともあります。
いつまでも、この穏やかな時間が続きますように。そんな意味を込められているのかもしれません。
恵比寿(えびす)
七福神の一柱、恵比寿天より。とおいところから福を運んできてくれる海の神様、豊漁の神様として信仰されています。商売繁盛の神様として有名です。
老松(おいまつ・ろうしょう)
古い松のこと。末永い繁栄を願う象徴としての意味があります。
翁(おきな)
歳を召した男性のこと。
能の儀式曲「翁」は、天下泰平・五穀豊穣を祈る曲として神聖に扱われております。
祝いと安寧の意味を込めて。
鶴寿(かくじゅ)
鶴は千年生きると言われているので、長寿の意味をこめて使われます。
健康で長生きの一年になりますように。願いを込めて。
鶴声(かくせい)
「鶴の一声(つるのひとこえ)」は、多くの人の議論や意見をおさえつけ、意思決定をさせる有力者・権力者の一言を表す言葉として有名ですね。
鶴が泣くとしんと静まり返るさまから、権威のある相手を敬う言葉として使用されています。
神楽(かぐら)
神様を祀るために踊る舞のこと。
神座(かむくら)に神を招き、神の力を招き鎮めることによって、生命力を高めようとする儀式、神と人とが共に享楽することによって神の力を得ようとする神人和楽の(しんじんわらく)の神事です。
慶雲(けいうん)
雲が色付いている状態。「彩雲」「景雲」「瑞雲」とも呼ばれます。
良いことが起こる前兆を表します。
佳気(かき)
めでたい気。嘉気とも書きます。
東雲(しののめ)
夜明け。また、明け方に東の空にたなびく雲のこと。一年の夜明けを予感させます。
寿山(じゅざん)
めでたい年、または長寿のことを指します。
寿色(じゅしょく)
禅語の「青松多寿色」からきています。
「うつろうことのない不動の松の青さこそ、寿の色」という 意味唐の詩人・孟郊の詩の一節があり、松は年間通して、また年月を重ねても青々と鮮やかで、色あせることのないその姿から、そこにめでたさを感じているのです。
寿老(じゅろう)
長寿のことを指します。
寿老人(じゅろうじん)
七福神のなかの一柱で、長寿を授ける神です。
松韻(しょういん)・松濤(しょうとう)・松風(まつかぜ)
松風の音を指します。波のように聞こえる松風の音。
松の梢を渡る風の音を茶釜から出るお沸の音にたとえていう言葉です。
初春(しょしゅん・はつはる)
春のはじめのことを指します。
松上の鶴(しょうじょうのつる)
松に鶴の組み合わせはお目出度いことが永く続く意味をもっています。
松竹梅(しょうちくばい)
三つとも寒さに耐えるところから、歳寒三友とよび、めでたいものとして慶事に使用されます。
祥福(しょうふく)
めでたいこと。
瑞雲(ずいうん)
めでたいことの前兆として現れる雲のこと。
瑞兆(ずいちょう)
めでたいきざし。吉兆
末広(すえひろ)
末の方に向かって次第に広がること。
末が広がって栄えること。 またその様がめでたいことを指します。
千年翠(せんねんみどり)
「松樹千年翠」から。「松の木は千年変わることなく緑を保っている」という意味で、長寿を祝うおめでたい席などでよく用いられる言葉です。
宝袋(たからぶくろ)
財宝が入っている袋のこと。富と財に恵まれるようにと願う意味で使われます。
宝船(たからぶね)
宝を積み七福神が乗っている船。
玉串(たまぐし)
玉串は神前にお供えするもののひとつです。
神に敬意を表し、且つ神威を受けるために祈念をこめて捧げるもの。
丹頂(たんちょう)
鶴のこと。日本では亀と一緒に長寿の象徴として知られていて、特別天然記念物に指定されています。
千歳(ちとせ)
千年。また、長い年月のこと。
長久(ちょうきゅう)
ながく続くこと。永遠のこと。
千代の栄(ちよのさかえ)
いつまでも良いことが続きますようにと、永久の繁栄を祈る言葉です。
東方朔(とうぼうさく)
中国、前漢の文人です。西王母の桃を盗んで食べて長寿を得たという伝説があり、長生きの象徴として親しまれています。
常盤(ときわ)
ずっと動かない岩の事を指し、そこから永久不変を指します。
また、冬でも色が変わらない常緑樹のことを指すことも。
初霞(はつがすみ)
新春の野山にたなびく霞のこと。新春を表しています。
初音(はつね)
その年初めて鳴く声。初声。
初笑(はつわらい)
「笑う門には福きたる」という言葉のとおの、一年が笑いに満ちた幸多い年であるようにという祈りが込められている季語です。
破魔弓(はまゆみ)
破魔弓(はまゆみ)とは、弓と破魔矢(はまや)のセットされたもので、男児の誕生と出世を願って贈られる縁起物です。
春駒(はるこま)
春駒とは張り子などで馬の頭の形をつくり竹を指し、下端に車をつけ子供が跨って遊ぶ玩具のことを指します。
春は立春から。 “駒”は“馬”を意味しており、“馬”は縁起が良いとされ、その二つの言葉・意味から“春駒”と呼ぶようになったそうです。
万歳(ばんざい)
万年。いつまでも生き栄えること。祝うべき、めでたいことを意味します。
富貴(ふうき)
富(とみ)も地位もあること。お金持ちで身分が高いことを意味します。
福寿(ふくじゅ)
幸福で、長寿であることの意味です。
福寿草(ふくじゅそう)
きんぽうげ科の多年生植物で、早春にあざやかな黄色の花が咲きます。
めでたい花とされ、正月に飾り、「元日草」という名前で呼ばれることも。
福の神(ふくのかみ)
幸運をもたらす神様で、七福神などのことを指します。
福禄寿(ふくろくじゅ)
七福神のうちの一柱で中国で南極星の化身(けしん)といわれています。
長寿をさずける神様です。
不老仙(ふろうせん)
「蓬莱不老仙」(ほうらいのふろうせん)という禅語から。蓬莱山に棲むと伝えられる不老の仙人をたとえに挙げ、不老長寿と平穏無事を祈る意味をもっています。
不老門(ふろうもん)
不老門とは門をくぐったものは老いることがない(長生きする)という意味があり長寿を願う意味があります。
蓬莱(ほうらい)
中国の神仙思想に説かれる三神山の一。 山東半島の東方海上にあり、不老不死の薬を持つ仙人が住む山と考えられています。 蓬莱山。
布袋(ほてい)
七福神のうちの一柱で、大きな袋を持っているのが特徴です。福や財をもたらすとされています。
松の内(まつのうち)
正月事始めから神様がお帰りになるまでの期間を指します。
楪(ゆずりは)
若葉が伸びてから古い葉が落ちることから。これを親が成長した子どもに後を譲るのにたとえて、子孫繁栄の象徴として、古くから正月飾りに使われています。
若水(わかみず)
元日または立春の日の朝早く、くむ水のこと。
若水は神聖な水で、お正月に飲むと一年の邪気を払ってくれると言われています。
若みどり(わかみどり)
若々しく新鮮な感じの鮮やかな黄緑色、特に松の若葉の色をさします。